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節税や財務内容の充実など、会社の体質を強くする方向での決算を行い、そして決算書に基づいて経営成績と財務内容の状態を報告し、経営の課題を共有していきます。
社長および幹部社員の方々が経営の問題点や課題を把握し、何に取り組んでいくべきかを考え、今後の方向性を確認できるように、決算の内容について詳しく報告してまいります。
- 会社名
- B商事株式会社
- 業 種
- 卸売業
- 従業員数
- 約20名
- 年 商
- 約20億円
決算書の作成
今回決算書を作成するのは、従業員約20名の卸売業です。
創業後わずか数年しか経っていないにも関わらず、年商は20億円を超え、急成長している会社です。
事前の決算対策により検討した結果、もちろん必要な節税対策は行っていくが、金融機関に対する格付けアップを意識し、できるだけ利益、特に営業利益は○○円確保するということになりました。
今回は、その方針通りに決算を迎え、決算書を作成していきます。
『経営の診断書』の作成
通常の場合、決算書を作成し、税務署等に提出する申告書を作成すれば、決算業務は終わりです。
しかし、決算書を見ても経営内容はわかりにくいため、経営者のために決算書を翻訳するツールとして弊所では、オリジナルの『経営の診断書』を作成し、それをご説明することで経営の課題を分かっていただきたいと思っています。
『経営の診断書』って、一体どういうもの?
『経営の診断書』とは、5期分の決算書を基に、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
- 経営分析指標
の内容について、自社と同業で同規模の他社(黒字企業平均もしくは優良企業平均)とを比較します。
過去5期の内容を同業他社と比較することにより、
- 自社の現在の経営状況(儲かり方、お金の残り方の状況とその理由)の確認
- この5期間でどの方向に向かっているのか、このままその方向に向かった場合に生ずる課題の把握
- その課題に対してどう手を打ち、今後どこへ向かうべきなのかを考えてもらう
ことを目的としています。
こういった分析資料を、たまに目にすることもあると思いますが、「数字を並べ立てられても、よくわからん。」という方もおられると思います。
その気持ちはよくわかります。
そうなんですよね。
確かに、数字だけを並べられて説明されても、何となくしかわからないですよね。
そのような声をよく耳にするため、弊所内で もっとわかりやすく決算内容がわかるアイテムはないかと工夫を重ねた結果、出来上がったのが、この『経営の診断書』です。
弊所の『経営の診断書』のユニークな点は、 数字を羅列するのではなく、グラフや図などのビジュアルで表現していることです!
* 視覚に入る(数字を見る)
* 耳に入る(数字を聞く)
だけではわかりづらいため、
* 視覚に訴える(ビジュアルで見る)
ことで、会社の状況が手にとるようにわかるようにしたのです。
この『経営の診断書』を使って一年間を振り返ってみましょう!!
事務所内での検討会の開催
『経営の診断書』を作成したら、事務所内でその内容について検討することになります。
このような検討会を設けるのには、次のような理由があります。
決算の報告内容について充実を図る
担当者以外の人が見ることにより、決算の報告内容について見落としている点がないか、また、わかりやすく伝える事ができるか等を確認します。
事務所スタッフの教育
担当者にとっては、アドバイスを受けることができ、自信を持って決算報告に臨むことができます。
担当者以外の人にとっては、決算内容を第三者的な視点で見ることになります。
このような第三者的な立場から分析するという事を繰り返すことによって、事務所スタッフ各人のスキルアップを図っていくことも目的としています。
こうして担当者は、いざ本番!へ安心して臨むことができます。
『決算報告会』での経営状況の説明
決算書・申告書・『経営の診断書』を作成すると、会社に訪問して決算報告をすることになります。
今回は、社長はもちろんのこと、取締役全員に揃ってもらい、決算の報告を行います。
担当者 |
決算書が完成したので、決算の報告をしたいと思います。 売上も前年から大幅に伸び、20億円を超えるまでになりました。 従業員も創業時4名で始めてから、今では20名を超えるまでになっています。 社長!創業当時、こんなに早くここまで成長すると思っていました? |
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社長 |
いやあ、ここまでになるとは思ってなかったなあ。 |
担当者 |
売上が伸び、利益が伸び、そして社員も増えて、本当に素晴らしいことです。 それではこの『経営の診断書』を使って、今の会社の状況を一緒に見ていきましょう。 : まず、損益計算書から見ていくことにしましょう。 社長!『経営の診断書』による我が社の損益計算書は、同業他社と比べてどうですか? |
社長 |
うちは粗利が低いなあ。 |
副社長 |
人件費が低いですね。 |
担当者 |
そうですね。 同業他社と比べると、粗利益率はちょっと低いですね。 そして、人件費が低いのは同規模の他社より人数が少ないからです。 つまり我が社は、粗利益率の低さを一人当たりの生産性の高さでカバーしています。 ここを見てください。 同業他社より一人当たりの売上高、一人当たりの粗利益高ともに優れています。 しかし、人数が大幅に増えたことによって、その優位性も年々下がってきています。 : 次に、同じく貸借対照表はどうですか? |
社長 |
他社とは中身が全然違うなあ。 |
担当者 |
本当に、全然違いますね。 |
専務 |
グラフにすると、違いがよくわかりますね。 このグラフで見ると、売掛金と在庫と買掛金が多いですね。 |
担当者 |
そうでしょ!売掛金と在庫は多いでしょう。
我が社は、他社よりも運転資金が多い状態です。 ここで、改めて運転資金についてお話しておきます。
ものを仕入れると、買掛金が発生し、同時に在庫も発生します。 そして、その在庫を売ることによって、売掛金が発生し、売掛金を回収することによってお金が入ってきます。
運転資金というのは、在庫と売掛金に受取手形を含めた売掛債権、買掛金(今回のB社は支払手形は振出していない)で考えます。
売掛債権にはサイトがあります。買掛金にもサイトがありますよね。
売掛債権の回収サイトが買掛金の支払いサイトより長いと、ものを仕入れて、お客さんからお金として回収する前に、先にお金の支払いをしている状態になります。 わが社の場合、決算書から導き出した売掛債権回収までの日数は58.7日です。
一方、買掛金の支払いまで日数は64.0日です。 ですから、素晴らしいことに、5.3日回収の方が早いことになります。 |
これだけですと、資金繰りは楽になるんですが・・・。
しかし!この二つのものに在庫というものを加えて考える必要があります。 ものを仕入れて、売る前に在庫として倉庫に置いておく期間。 その期間が41.8日となっています。 と言うことは! ものを仕入れてから、売ったお金が入ってくるのは、在庫41.8日プラス売掛債権58.7日で、100.5日! 一方仕入れたお金を払うまでの日数は64.0日ですから、差し引き36.5日分支払いが先行しています。 |
|
この運転資金は通常、売上高が伸びると増えます。
売上が増えているのにお金が足りなくなるのはどういうこと? という疑問は、このような構造になっているからです。 その期間が41.8日となっています。 わが社の場合、運転資金が増えて資金繰りが悪くなっている主な原因は在庫の保有期間が長いからです。 ですから、私は普段、在庫、在庫と言っているんです。 |
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社長 |
・・苦笑 |
副社長 |
・・苦笑。 |
専務 |
・・苦笑。 |
今後の課題は何か?経営課題の確認
会社の状況がわかり、課題が何となくみえてきたら、今度はその課題を整理します。
担当者 |
今、決算内容を見ていった中で、 在庫が多いとか、経費が増えてきているですとか、いろんな意見が出て来ました。
ここで、それらをもう一度整理したいと思います。 まず、はじめに粗利益率が低いという話がありました。 その原因は何故だと思いますか? |
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社長 |
ロット売りの際の値引に対するチェックが充分に出来ていないのでは? |
専務 |
そもそも仕入の時に、ついで仕入をしないように発注管理を徹底していくべきではないですか? そうすれば、在庫処分で安値で販売する必要もなくなるし・・・。 |
担当者 |
社員は増えましたが、その社員に対して、一人当たりの生産性を高めるための、教育や研修はしてますか? : |
具体的にどうする!対策の立案と推進
課題が整理できても、それで終わったのでは意味がないことになります。
最後に、具体的な取り組みへの落とし込みが重要になってきます。
課題に対して、今後一年間取り組んでいくこと、中期的に取り組んでいく事、その責任者は誰なのか等々を決めていき、今後の方向性を再確認していきます。
担当者 |
社長!会社の向かうべき方向性は大体見えてきました。 具体的に何をどうしていきますか。 |
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社長 |
そうやなあ・・・。 そういえば…。 そもそも、うちは経営計画を作ってないなあ。 こんなに色々としていかなあかん事があるなら、まずは計画をつくらなあかんやろ。 |
担当者 |
そうですね。 これだけの会社になったら、経営計画はいりますよね。 |
社長 |
計画を作っていく中で、今日話に出た事の内、すぐにでもしていかなあかん事を計画に組み込んでいこうか! |
担当者 |
社長!是非作っていきましょう! |
「経営計画ってどうやって作っていったらいいの?」とお困りの方は、
このように、決算という一年間の節目の場を、会社を発展させていくための確認の場として行くために、弊所では『決算報告』を行っています。
決算の数字を難しい言葉で説明されても、正直、よくわからないですね。
それで?それってどういう影響があるん?
うちは売上も伸びてるし、何の問題もないんじゃないの?と思っていました。
だけど、こんなにいっぱい課題が出てくるとは正直驚きました。
早くに気付かせてくれて、本当にありがとうございました。
『経営の通信簿』はグラフになっているから、他社との違いが一目でわかるのが、ありがたいですね。
やっぱり、同業他社との比較を見せられると、他社には負けてられへんという気持ちになるし、刺激を受けますわ。
今期からは、少しでも早く同業他社に追いつき、追い抜くよう持っていきたいので、今後ともご協力よろしくお願いします。